ぼくのなつやすみ 埼玉~江ノ島ランニング

「世間はお盆休みのようだが、自分には関係ねーな」

仕事柄、正月も盆もあまり関係ない日々を送ってきた自分は、毎年そう思っていた。

相方さんが出来るまでは。

相「夏休みどっかいきたいねー」

ワシ「そーだね」

相「夏休み取ってね」

ワシ「OK」

同僚とシフトを調整し、3日間の連休を頂くことが出来た。

ワシ「夏休みとったでー」

相「走って江ノ島行こう!」

ワシ「・・・!?(なに言ってんだこの子は)」

自転車併走作戦

暑くなってからもランニング練習を継続しているが、風を受け続ける自転車と違い、猛烈に汗をかく。

あまりにも汗がうっとうしくて、30分で「もういいや」となることも多々。

江ノ島まではおよそ80km

「この暑さでそんな距離走れんのか?」

不安を抱えていた中、早朝の自転車練習で学生達と思しきランニング集団に監督かコーチかと思われる年配の方が併走しているのを見かけた。

「・・・これだ!」

帰りは輪行すれば自転車で足を休めながら交代して走れる!

相方さんに話すと「それいいね!」と快諾。

走るスピードに合わせるので通勤用のクロスバイクで併走することにした。

出発

起床は午前1時過ぎ。

サクッと支度を済ませ、2時過ぎに出発。

ペースは走者に任せ自転車は後ろについて走り、一人10km走るごとに交代していく作戦。

無事に走りきれるだろうか。

20km超までしか走ったことのない自分にとっては未知の距離。

不安は尽きない中スタート。

コース

過去数度、自転車で江ノ島経由で箱根まで行っているので、ナビゲーション要らずのコースで行くことに。

奇しくも箱根駅伝上のコースである。

この日は二人駅伝でもあった。

第一走

第1走は自分が担当。

関東地方はここ数日、梅雨入りしたかのような雨続きで天気が心配であったが、この日は奇跡的に曇り後晴れの予報。

だったのだが

ウェアとシューズが濡れ、「けっこううっとーしいな」と感じる程度の雨。

頼むぜおい・・・と泣きそうになりながら、荒川を超え自殺の名所として名高い高島平のマンモス団地を走り1走目を終える。

まだまだ先は長いのでペースに注意して走り終えた。

第2走

第2走、国道17号中山通り~白山通り区間は相方さんが担当。

数年前はここを自転車通勤していたので過去を思い出した。

相方さんが走り出すと、雨が止み走りやすくなった。

淡々と走り続け、東京大学前でちょうど20km地点。

走者交代と同時に再び振り出す雨。

どうなってるの・・・

第3走

東京大学前から秋葉原を経由し日本橋を目指す。

相方さんは過去、日本橋三越に勤めていたそうで昔を懐かしんでおられた。

ほどなく日本橋に到着。

ちょうど夜が明け始め、ドンヨリとした天気であったが明るくなり多少走りやすくなった。

日本橋を過ぎると皇居に到着。

いまやランナーの聖地とも言える皇居だが、思わぬ形で皇居ランデビューとなった。

日本の中心地をランニングと自転車で走りぬける二人。

相当異彩を放っていたと思われる(笑。

国道1号から国道15号第一京浜に入り、品川付近で走者交代となった。

第4走

品川~蒲田付近までは相方さんが担当。

「蒲田は昔踏み切りがあって渋滞地帯だったんやで」

などとウンチクを語りながら併走する。

たぶんハイハイと思いながら聞いていたんだと思われる(笑。

途中少しお腹が痛くなったようだが大事には至らず。

一安心。

このあたりは見る様なものもなくマイペースで淡々と走り抜けた。

第5走

蒲田~川崎~の区間を走る。

多摩川・六郷橋を超え、神奈川県入り。

自転車ならばどうということはない距離だが、ランニングで2県を跨いだ経験は無いので少々感慨深いものがあった。

通勤時間帯になり、歩道にも人が増え始める。

ぶつからないように注意しながら淡々と走る。

江ノ島まではちょうど中間点となる区間。

走り終えると足に疲労が残る。

それでもまだ1度2度、走られねばならない。

第6走

鶴見~横浜区間を相方さんが担当。

雨はすっかり上がり、蒸し暑さを感じるようになってきた。

コンビニ補給する回数も増える。

この日は最高気温が30度を超えなかったため非常に走りやすかった。

真夏日だったらどうなっていただろうか?

今思うと少々恐ろしい。

箱根駅伝鶴見中継所の銅像。

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この日は自転車がタスキ代わりの二人駅伝であった。

しばらくすると横浜に到着。

ランドマークタワーを撮影する姿を撮影されるの図。

ギャラリー(歩行者)が多いと、ちょっとペースが上がる相方さん。

クスっとなった。(笑

ちょっと寄り道してこうかー、ということで赤レンガ倉庫に立ち寄ることに。

フードイベントが開催されていたが、走るのに苦しくなると困るので何も食べずに立ち去ることに(泣。

相方さんも疲労の色が見え始める。

それでもお互い10kmずつ走ればゴールが見えてくるので、励ましあいながら走り続ける。

第7走

横浜~戸塚区間を自分が担当。

一歩目を踏み出したときからハムストリングにはっきりと疲労を感じた。

標識にも「小田原」の文字が出始め、後半戦であることを知らされる。

相「小田原までだと何km~?」

ワシ「110kmちょいかなー?」

相「小田原まで行っちゃう?」

全力でお断りしました(笑。

この区間では箱根駅伝の難所の一つでもある「権田坂」が姿を現す。

ランニングでの登りは苦手とする自分に対し、登りの方が楽という相方さん。

走りたくねーなー、とずっと思っていたが見事に自分が担当することになった(笑。

見栄を張って余裕があるように振舞う(笑。

勾配はそれほどでもないが、距離が長い。

苦しくとも、3ヶ月後には初のフルマラソンを控えているので登りは克服しなければいけない課題。

幸い自転車で何度か通り、未知のコースではなく頂上まで残りの距離がなんとなく分かっていたことが救いであった。

ペースはガタ落ちしながらも足を止めることなく登り切った。

「よっしゃ」と心の中でガッツポーズし、下りで足を休めながら走り交代となった。

自分が走るのはもう一度くらいか、と少し安堵した気分であった。

第8走

戸塚~藤沢区間は相方さんが担当。

後ろから見ていると疲労しているのが分かる。

古傷の腸徑靭帯~膝痛が出始め、歩きを入れながら前に進む。

何度か「交代しようか?」と声を掛けるも、「ここまで来たら走りきる」と自分を奮い立たせていた。

標識にも「江ノ島」の文字が見え始め、ゴールは目前であることを悟る。

権田坂よりも勾配のきつい遊行寺坂でスパートをかける姿はかっこよかったです。

さすがワシの師匠やでぇ。

藤沢駅を過ぎたあたりで80km地点に到着。

もう残りは5kmもないはず。

最後は任せろ、とばかりに走者交代となった。

第9走

気持ちとは裏腹に身体は重かった。

走り続けているほうが案外楽なのかもしれない。

1kmほど走ると足が回り始めた。

前方に見える江ノ島電鉄の線路。

ちょっと危険な龍口寺前交差点を過ぎると海からの風と匂いを感じ取りゴールを確信。

思わずガッツポーズ。

江ノ島を前にしたコンビニでゴールとなった。

疲労で人目を気にせず座りこんだ。

二人で協力して積み重ねた時間と走行距離。

ゴール後、安堵で笑顔のワシと感動して涙を浮かべる相方さん。

よく頑張ったね、とお互いを称えあい、乾杯。

放心状態のようになりながら、これまでの道のりが脳内を駆け回っていた。

腹に染み渡るノンアルコールビール(笑。

一服後、美味しいご飯食べようかーと江ノ島に渡り海鮮丼を堪能する。

観光地価格だったけど。

神社にお参りを果たし(階段が今日一番のつらさだった)、帰路に着いた。

事前情報で藤沢駅近くの銭湯で汗を流す予定だったが、まさかの定休日。

駅のトイレで着替えをし(笑、輪行で帰路に着いた。

あんたそれ今日何杯目や(笑

一夜明け

帰宅後、夕食と洗濯を済ませ横になるとあっという間に深い眠りに。

ハッキリとは覚えていないが、ランニングしている夢を見ました(笑。

それほど心に残った一日だったのだろう。

起き上がると肩甲骨~ハムストリングまで筋肉痛。

久々に起き上がるのがつらかった。

10km毎に交代とはいえ、一日での最長距離を踏み、ランナーとして確実に階段を一つ上れた感覚がある。

ちょうど一ヵ月後に赤城山ヒルクライムを控え、3ヶ月後には初のフルマラソンを控えている。

赤城山を終えたらしばらくランニング練習が中心となるだろう。

一年前は想像も出来なかったが、今では走ることは新たな楽しみの一つだ。

四十路を前にして新たな人生の楽しみを教えてくれたことと、一夏の思い出を共にした相方さんには感謝だな。

「来年は奥武蔵一緒に出よう」との勧誘に恐怖しながらも、本当に走っているかもしれない・・・

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